2015-01-01

為替レートはどこへ向かう 1 市場原理 トレード理論

今回からしばらくの間、市場の原理原則に関する筆者の取りとめのない考えを整理し、記録していきたいと思う。


なぜこのテーマを記憶に留めておく必要があるのか?

実は、ここ2週間ほど、トレードもそこそこに、オシレーター指標をメインにしたトレード手法を研究しているのだが、思うような成果が出ずに焦りを感じてきている。

これについては、また別の機会にレポートしたいと思っているが、手法研究を行う上で、その基礎となる相場の原理原則についての理解不足が、この成果の出ない状況を生み出しているのだろう、と感じたからである。


今まで筆者は、なんとなく為替レートの変動を予測し、トレードしてきた。

外国為替証拠金取引は、別に資格など必要としない。

キャピタルゲイン(為替差益)や、インカムゲイン(金利差益)を獲得できさえすれば、特段、経済学や市場原理など知らなくともよいのである。

ただ筆者の場合、この理論的背景を理解せずにトレードをしていることが、いまだ負け組を脱することができない原因のひとつなのではないかとの想いに至った。


筆者は、経済学やマーケット理論などを、体系的に学習した経験を持たない。

従って、これから記載していく内容については、特に裏付けをとった訳ではなく、筆者の経験と推論によるところが大半の、素人考えであることが前提になることをご容赦願いたい。


前置きはこのくらいにして、早速、市場原理のひとつである、為替変動についての理論的背景に迫っていきたい。



まず、為替レートの話の前に、伝統的で素朴な市場について、筆者の好物のひとつである、とうもろこし市場を例に、市場価格の形成、およびその変動の法則性について整理してみる。


とうもろこしの値段は、だれが決めているのだろうか?

とうもろこしの値段は、その買い手と売り手との合意に基づいて決定される。

「売り手はより高く売りたい」と考え、「買い手はより安く買いたい」と考えている。

これが価格変動の市場原則の1つになるのではないか。


筆者がとうもろこし農家(売り方)だとして、昨日、Aさん(買い方)に1本100円でとうもろこしを売っていたとする。

今日もAさんが筆者のところへとうもろこしを買いに来てくれた。

少しでも高く売りたいという気持ちはあるのだが、昨日の今日でお得意様に高く売りつけることはできないであろう。

市場ではない個人間取引においては、価格変動の動機づけは薄いと考えられる。


ところが、これが参加者(売り方/買い方)が複数存在する市場となると、状況は一変する。


case[1]:地政学的要因(短期)

昨日、筆者は1本100円でとうもろこしを売っていたとする。他の農家さんも100円で売っていた。

昨日のとうもろこしの市場価格は100円だったことになる。

今日も100円で売れるだろうと意気揚々と市場へ向かう筆者を、衝撃の事実が待ち受ける。

 => ここで、「衝撃の事実」という言葉を何気なく使ったっが、実はここ、ポイントである。

市場に新規参入農家(売り方)が現れたのである。

彼は、最新の慣行農法を駆使して、大量のとうもろこしを低コストで生産することに成功していた。

彼は市場に1本90円の値段を提示していたのである。

少しでも安く買いたい買い方は、彼のところに殺到する。

笑いが止まらないほどのバカ売れだ。

筆者はとうもろこしを売らなければ生活に支障がでてしまうので、1本90円へと値下げをせざる得ない。

他の農家さんも買い方に買ってもらうために、続々と90円へと値下げ断行である。

ここに、最新慣行農法の開発という地政学的要素に起因する、とうもろこしの市場価格の100円から90円への変動が起こったのである。



case[2]: 地政学的要因(中期)

先月(6月)、筆者は1本100円でとうもろこしを売っていたとする。先月の市場価格は100円だった。

今月(7月)はとうもろこしの最盛期である。先月1,000本でよかった販売量に対して、今月は2倍の
2,000本という量をさばかなくてはならない。

買い手のとうもろこし消費量が変わらないとすると、筆者は必然的に1本50円という値段設定をすることになるだろう。

なぜなら、とうもろこしは夏野菜の代表格であり、1年というサイクルで価格変動は起きている。

夏季には収穫量(販売量)は増加し、冬季は逆に収穫量(販売量)は減少する。

つまり、とうもろこし農家はみな同様に、2倍の在庫を抱えていることが容易に想像できるからである。

 => この「容易に想像できる」という言葉は、実は重要なポイントであり、市場の本質に迫る一つの切り口に成りえることを明記しておく。

かくして、とうもろこしの市場価格は、先月の100円から、今月の50円へと下落したのである。



case[3]: 地政学的要因(長期)

前年、筆者は1本100円でとうもろこしを売っていたとする。

今年は日照りが続き、慢性的な水不足が原因となり、とうもろこしの収穫量は大幅に減ってしまった。

不幸中の幸いか、この水不足は日本中で発生していたため、他の農家さんの収穫量も、ばらつきはあるものの、概ね減少傾向がみられるようである。

後から気づいたのだが、水不足は統計的に見てみると、5年周期で起こっているようである。

 => 「後から気づく」、「統計的に」、ここがポイントのようだ。

そこで、筆者は例年の収入を確保するために、思い切って1本300円という値段を提示してみた。

市場全体でのとうもろこしの流通量の減少を背景として、前年同期比で100円から300円へと、価格高騰が起きたのである。



case[4]: 市場参加者増減要因

前年のとうもろこし価格は1本100円だった。

今年も100円の売り値を想定していたところ、消費者の安全野菜志向、有機野菜人気、帰農ブームを背景として、同業の農家さんが20%増加した。

競争相手(売り手)が増えてしまったのだ。

だが、この売り手の増加に反比例するするかのように、消費者の野菜離れも進んできているようで、買い手が10%減少した。

結果として、とうもろこし価格は30%下落し、1本70円で販売することとなった。

市場参加者(買い手/売り手)が増減することにより、複雑な価格調整が行われ、結果的に100円から70円へと、価格の下落が発生した。

 => 「複雑な価格調整」、「結果的に」、もうおわかりだろう。



以上、長くなってしまったが、代表的と思われる価格変動を引き起こす要因を取り上げてみた。

次回は、この価格変動とそのポイントを整理し、実践的な市場原理として体系化してみたい。


次回へ続く。




#Forex #Trading

1 件のコメント:

  1. すげ~~~~~とうもろこしも、「円」も、おんなじじゃんwww

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