2014-12-15

長いひげはトレンド転換 4 プライスアクション トレード理論

今回は、「長いひげ法則」EAの銘柄別損益をもとに、ポートフォリオを組んだ場合のシミュレーションを行ってみたいと思う。



まず、前回行った銘柄別損益を、EA Analyzer 3を利用して組み合わせてみる。




資産曲線は概ね右肩上がりではあるが、マキシマルドローダウンが23.72%と高いことと、2014年8月のドローダウンが気がかりである。


そこで、収益を安定させるために、以下の2点の改善を行ってみる。


  [1] グランビルの法則を適用する。

  [2] パラメータを最適化する。



まず、[1]についてだが、トレンドのセンチメントが上昇中の状況で、トレンドに対して逆張りエントリーするという、明らかに不利なタイミングでのポジションテイクが目についた。

そこで、グランビルの法則を利用し、移動平均線の水平線に対する角度が鈍化する局面でのエントリーに絞り込んでやる。



次に、[2]についてだが、前回のGBPUSDの例でもわかるように、どうしても通貨特性を避けては通れないようである。

恐らく、どんな手法においても、得手不得手な相場が存在してしまうのであろう。

そこで、パラメータを通貨特性にフィットさせることにより、収益を安定させようとの狙いである。

最適化するパラメータは、SL、m(CheckBars)、n(WickByBody)、MAPeriodの4つとした。

また、最適化結果のパラメータ選択に関しては、単純にプロフィット、プロフィットファクターが良いもの、ということではなく、目的が収益の安定化であることを考慮し、トレード数がある程度確保でき、マキシマルドローダウンの低いものを選択することにした。



そして、以下が改善後の数値である。


Symbol: USDJPY  

SL: 1800  m: 6  n: 2.5  MAPeriod: 60  PF: 3.57  MDD: 13.84%

Symbol: EURUSD  

SL: 700  m: 5  n: 2.1  MAPeriod: 40  PF: 2.58  MDD: 10.72%

Symbol: EURJPY  

SL: 600  m: 5  n: 3.0  MAPeriod: 40  PF: 4.39  MDD: 17.74%

Symbol: GBPUSD  

SL: 1700  m: 5  n: 2.7  MAPeriod: 40  PF: 2.60  MDD:% 17.08

Symbol: GBPJPN  

SL: 1300  m: 5  n: 2.0  MAPeriod: 60  PF: 1.93  MDD: 18.40%

Symbol: AUDUSD  

SL: 1700  m: 7  n: 2.2  MAPeriod: 40  PF: 4.09  MDD: 15.91%

Symbol: AUDJPY  

SL: 2000  m: 5  n: 2.0  MAPeriod: 20  PF: 2.98  MDD: 14.19%





結果としては、プロフィットを維持しつつ、資産曲線が滑らかになり、弱点であったマキシマルドローダウンが、23.72%から13.98%へ、2014年8月のドローダウンが、-127.76%から-33.86%へと、それぞれ改善することとなった。

改善策としてのアプローチは正しかったようである。

ただし、これまでの結果からは、将来的な相場における普遍的特性を決定づけるまでには至らなかった。


EAに関しては、まだまだ改善の余地が潜在していそうではあるが、今回の検証作業は「長いひげの法則」の立証が目的であって、システムトレードのストラテジー開発ではないため、このあたりで検証作業は終了としたい。


粗削りではあるが、今回の検証を通して、一定程度の成果が残せたのは幸いだと感じた。



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